新しいガイドラインでの変更点
5年毎に心肺蘇生法などの方法を見直し、毎年より良い方法に変わっていきます。前回は2000年に改定され、今回2005年に改定となり、様々な部分が改定されました。ですが変更点については前回のやり方が悪いわけではなく、より良くするために変更されました。
またこのページに搭載している変更点などは、これから応急手当などを覚えて行きたいと言う方は変更点を覚える必要はなく、より良い方法に変わったんだと認識していただければ結構です。
 
用語の定義など <一次救命処置など>
これまで「救命処置」として心肺蘇生法や止血法などを定義されていましたが、以下のように定義されました。
●救急蘇生法
一次救命処置(BLS)、二次救命処置(ALS)、応急手当の総称のことを言います。
●一次救命処置(BLS:Basic Life Support)
一次救命処置(以下「BLS」)は心肺停止に陥った人に対する救命処置のことを言います。BLSは心肺蘇生法(CPR)、AEDによる電気ショック、気道異物除去の事です。
AEDや感染防御具以外に特殊な医療器具を使用しない処置を言います。
●二次救命処置(ALS:Advanced Life Support)
一次救命処置(BLS)とは違い高度な医療器具を用いた処置で医師や救急救命士などの医療従事者が行う処置のことを言います。
●応急手当
BLSの処置(心肺蘇生法など)以外の手当てであり、止血法や骨折、捻挫の手当てなどが該当します。
<意識の確認>
これまで「意識の確認」としていたが、「反応があるかないか?」を確認することとなった。つまり「意識」という言葉は使わない。
<呼吸の確認>
確認事項として「普段どおりの呼吸をしているか?」を確認する。
項目は変わらず見て・聴いて・感じてを実施
<心臓マッサージ>
これまで「心臓マッサージ」と言っていたが、「胸骨圧迫」として圧迫する位置を表現上明確にされた。

<変更点ではありませんが・・・。>
CPR・・・心肺蘇生法のことです。
共通した基本的な考え方 胸骨圧迫の質の向上が重視され、早期に実施し、十分な強さと十分な回数の胸骨圧迫を絶え間なく行うこと。また胸骨を圧迫したら十分戻すということが重要視された。そのため胸骨圧迫を中心とした変更がなされた。
BLSの主な変更点 ●呼吸については「普段どおりの呼吸をしているかしていないか?」を確認する。
●反応がなく、正常な呼吸でない場合はCPRを開始
●人工呼吸を2回実施後はすぐに胸骨圧迫心臓マッサージを実施
●人工呼吸は約1秒かけて入れる。吹き込む量は軽く胸が膨らむ程度で2回試みる
●胸骨圧迫の圧迫位置は「胸の真ん中」とする。
●胸骨圧迫の回数は全年齢30回に統一。人工呼吸も2回に統一。つまり30:2である。
●胸骨圧迫の回数が増えたことにより、救助者の疲労が増えるため約2分間の胸骨圧迫を実施後、胸骨圧迫の実施者は他の者と交代することが薦められている。
●感染防御具がないなどで人工呼吸が出来ない場合、胸骨圧迫だけでも実施する
●CPRは傷病者に何らかの反応が出てくるか救急隊に引き継ぐまで継続する
AEDの使用について ●AEDは到着しだい装着する
●電気ショックは連続では実施しない。1回のみ。(2分間おきに実施)
●電気ショック実施後は直ちに胸骨圧迫心臓マッサージを実施する
●小児の場合は小児用のパッド使用し、なければやむをえない場合に慎重に成人用で代用する。
気道異物除去法について ●傷病者に反応がある場合「背部巧打法」と「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」を併用する。
●乳児、妊婦、肥満者には腹部突き上げ法は実施しない。
●回数や順序は指定せず、異物が取れるか反応がなくなるまで実施する。
●傷病者の反応がなくなった場合、成人の場合すぐに助けを呼びCPRを実施し、小児・乳児の場合CPRを5サイクル(約2分間)実施後助けを呼ぶ。
●口の中に物があれば取る。ただし押し込んでしまう可能性があるため無理に取らない。
備考 AEDについては前回のガイドラインの方法で作成されたAEDが存在し、電気ショックを連続3回実施する場合があり、つまり1ショックしたらすぐ胸骨圧迫として作成されたAEDと最高3回連続電気ショックが出来るAEDの2種類が存在するため、実際の救急現場ではAEDの指示に従う方が良いかと思われます。

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